家づくりコラム
教えて家づくり博士!HEAT20基準だと高断熱・高気密な家づくりができるって本当?
こんにちは!埼玉県鴻巣市にある高断熱・高気密な注文住宅工務店「佐藤ホーム」のブログ編集部です。
今回のテーマは、家を建てる時に大切な断熱性能の基準である「HEAT20の外皮性能グレード」。家づくり博士が、ストーリー形式でわかりやすくご説明します!
登場人物
-
たてるさん・すみかさん
高断熱・高気密な家づくりを検討中の夫婦
-
家づくり博士
家づくりのことならなんでも知っているスーパー博士
-
本当に暮らしやすい家の性能を考える団体「HEAT20」
「夏涼しくて冬暖かい家」って、どうやって見極めたらいいのかしら? どのハウスメーカーも「断熱性能が高いですよ!」って言うから、選び方がわからないわね・・・
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
そこのお2人さん、心配無用じゃ。
断熱性能にはちゃんと判断基準があるから、それを参考に選べばよろしい。
あ、あ、あなたは!家づくり博士!
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
いかにも。真に快適な家を建てたいのなら、知っておいてほしいことがある。
「HEAT20(ひーとにじゅう)」の推奨する基準じゃ。
博士、教えてください。HEAT20ってなんですか?
たてるさん
すみかさん
-
高断熱な家づくりで参考にしたい!HEAT20の推奨する外皮性能グレード
家づくり博士
HEAT20とは「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称じゃ。
今から約10年前、“省エネな住宅”を日本に広めるため、専門家や研究者が集まってスタートした民間団体じゃよ。
HEAT20は高断熱・高気密のスペシャリスト集団ってわけですね。
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
その通り。HEAT20は「快適に暮らしたいなら、このくらいの断熱性は確保しましょうね」という基準を数値化した。これを、「外皮(がいひ)性能グレード」という。
「外皮性能」?
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
ざっくり言うと、窓・壁・床など「住宅と外との境界部分」の断熱性能のことじゃ。
HEAT20の外皮性能グレードは、住宅性能を示す信頼性の高い指標として、エコハウスや断熱住宅の設計者の間では広く知られておる。
君たちのように「どうやって住宅の断熱性能を判断すればいいのかわからない」という時にも、ぜひ参考にしてほしい。
-
「HEAT20が推奨する基準」と「省エネルギー基準」「ZEH」との違い
そういえば、今日行ったモデルハウスで「国の定める省エネルギー基準を満たしています!最高レベルの断熱等級4です」って言われました。「省エネ基準」は、HEAT20の基準とは違うんですか?
たてるさん
すみかさん
-
HEAT20の基準は、「省エネルギー基準」の一歩上を行く
家づくり博士
うむ、「省エネ基準」とHEAT20の基準は別物じゃよ。
「省エネ基準」は国が制定したもので、断熱等級4とは、平成25年の「省エネ基準」を満たしているという意味じゃ。
ええっと、HEAT20は民間団体でしたよね。ということは、「省エネ基準」を参考にした方がいいような気もするんですが・・・
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
ワンランク上の確実な断熱性能を求めるなら、重視すべきは「HEAT20の基準」じゃ。
残念なことじゃが、日本の住宅の断熱性能はかつて世界基準に遠く及ばなかった。現在の「省エネ基準」も、世界的に見れば、必ずしも十分と言えるレベルではない。一方、HEAT20の基準は「住む人が本当に健康で快適な生活が送れるか」という観点から作られておる。「省エネ基準」よりも厳しい数値が設定されておるのじゃよ。
-
ZEH基準よりも高い断熱性能を求めるHEAT20
家づくり博士
実は、HEAT20の推奨する基準は、あのZEH基準よりも厳しい。
ZEHといえば、エコな住宅の代表格ですよね。
ZEHを超えるということは、HEAT20は国内最高レベルの断熱基準なんですね!たてるさん
すみかさん
家づくり博士
そういうことじゃ。では、実際の数値を見てみよう。
-
HEAT20のグレード「G1・G2・G3」が意味するものとは
家づくり博士
HEAT20の外皮性能グレードは、G1、G2、G3の3タイプがあり、順に断熱性能が高くなっておる。省エネ基準とZEH基準もあわせて表にすると、こんな感じじゃ。
UA値ってなんですか?
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
住宅全体の断熱性能をはかる値じゃ。UA値が小さいほど、断熱性能が高いことを示しておる。
G3のUA値は「断熱等級4」の半分以下ですね・・・びっくりです。
たてるさん
すみかさん
-
住んでいる地域によって異なる!HEAT20の基準値を確認しよう
早速、今日のモデルハウスの断熱性能をHEAT20と比べてみたいんですが・・・
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
私たちの住んでいる鴻巣は・・・あった!「6地域」です。
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
「6地域」のところを見てみると・・・、G1の性能を求めるなら0.56W/㎡・Kが必要じゃな。
なるほど。今日のモデルハウスは、断熱等級4は満たすけれど、G1ほどの断熱性はないってことがわかりました。
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
HEAT20の基準に合致した高断熱な住宅を建てられる工務店はまだ少ないかもしれんな。諦めずに探してみることじゃ。
-
比べてびっくり!暑さ・寒さを我慢しないHEAT20の家での暮らし
実際に、HEAT20の家で暮らしてみたらどんな感じなのかな。
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
G2の基準で建てられた家を紹介しよう。
HEAT20の調査によると、2人の住んでいる「6地域」では、「室内の体感温度は、おおむね13℃を下回らない」、「体感温度が15℃を下回る時間の割合は15%程度」とされておる。また、暖房の負荷も省エネ基準の家の約半分と、大幅に減らせることがわかっている。
数字で比べて見ると、けっこう差がありますね・・・。
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
うむ。どこまでの断熱性能を求めるかは人それぞれじゃ。「快適さを確実に感じられるほどの断熱性能」にこだわるなら、HEAT20の基準は意識しておくと良いじゃろう。
断熱性能に比例してコストも上がるので、予算と相談しながら目指すレベルを決めると良いと思うぞ。
わかりました! 博士、ありがとう!
たてるさん
すみかさん
-
(編集部より一言)家づくりにあたって、断熱性能でお悩みの方は多いと思います。たてるさん・すみかさんのように、HEAT20をはじめとした各種の断熱基準のグレードについて調べてみると、工務店選びのヒントになりますね。