家づくりコラム
教えて家づくり博士「気密測定ってどうやるの?2回やる意味は?」【高気密・高断熱】
こんにちは!埼玉県鴻巣市にある高断熱・高気密な注文住宅工務店「佐藤ホーム」のブログ編集部です。
高断熱・高気密の家を建てたい、たてるさんとすみかさん。今日も今日とて家づくりのお勉強に余念がありません。
隙間の少ない家は、暖房効率がよく快適! 換気計画どおりに空気が入れ替わるので窓を開けて換気をしなくていいから寒い季節も安心! ということが、これまでの勉強でわかりました。
そこで、建てた家に隙間がないかどうか(C値)を調べる「気密測定」という方法があることを知った2人。
「気密測定ってどこの工務店でもやってくれるの? 1回で大丈夫だろうか?」
と疑問はつきません。
今回は、気密測定の方法と2回やる意味について、家づくり博士と一緒に学んでいきましょう。
※気密測定についてはこちらの記事もご覧ください
教えて家づくり博士!気密測定は必要?「高気密」が大切な理由とは
登場人物
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たてるさん・すみかさん
高断熱・高気密な家づくりを検討中の夫婦
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家づくり博士
家づくりのことならなんでも知っているスーパー博士
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気密測定ってどうやるの?
新型コロナウイルス感染防止の影響もあって、寒い冬でも室内の換気はマスト! っていうご時世だけど、せっかく暖房の効いた部屋なのにわざわざ窓を開けて空気を入れかえるなんて嫌だよね。
光熱費も無駄になるし、何より寒いのが無理……。
たてるさん
すみかさん
その点、気密性の高い家は、換気効率がいいから窓を開ける必要がないのがいいよね。気密性って「C値」で表すんだっけ?
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
気密性について、だいぶ詳しくなってきたようじゃな!
そのとおり。C値が1.0以下じゃと、隙間が少なく換気効率のいい家ということになるんじゃな。
そのC値を測定するのが「気密測定」なんですよね。実際、気密測定ってどんな仕組みで、どんなふうにやるんですか?
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
ちょっとだけ難しい話になるが……。よかろう! ついてまいれ!
わくわく!
たてるさん
すみかさん
なんだかいっぱい機械のようなものがある……。
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
気密測定器の基本的な構成は、こうじゃ。
・送風機、流量調整器、整流筒:室内の空気を外に出す
・流量測定器:送風機の風量(通気量)を測定する
・圧力差測定器:内と外の気圧を測定する
・温度計:内と外の温度を測定する
家づくり博士
気密測定のやり方には、「減圧法」と「加圧法」があってな。ほとんどの場合は「減圧法」が使われとる。
家づくり博士
減圧法とは、まず送風機を回して住宅内の空気を外に出すんじゃ。
このとき、整流筒を通すと空気の流れが一定になり、風の影響を受けないから正確な数値が出る。
家づくり博士
住宅内の空気を外へ出すと、住宅の中と外で圧力差が生じるじゃろ?
すき間が大きいと、いくら送風機で空気を外に出しても、すき間から空気が入ってくるから、内外の圧力差が小さい。
反対にすき間が小さいと空気が入ってこないから、圧力差が大きくなるのじゃ。
家づくり博士
気密測定器はこの原理を利用し、圧力差と通気量の関係から総相当隙間面積(αA)を求めておる。
そして、導き出した総相当隙間面積を「住宅の延べ床面積」で割った値が「相当隙間面積(C値)」なんじゃ。
へ、へぇー。
たてるさん
すみかさん
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※温度センサーは気密測定時の温度補正のために使用します。
気密測定は現場での実測だから「ごまかせない!」
家づくり博士
まぁ、難しいじゃろうな。
気密測定を行う一番のメリットは「実測値がわかる」ということじゃ。
理論上の計算だけでなく、実際の現場で測定して具体的な数値を出すから、どこに隙間があるのかも特定しやすい。と、いうことはその部分を改善して、確実に気密性の高い家をつくれるということなんじゃ。
そうか! ごまかしが効かないから、気密測定をやっている工務店が少ないというわけですね。
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
そ、それは、わしの口からは……ゴホンゴホンッ
家づくり博士
まあ、よっぽど施工に自信がなければ、気密測定器を現場に持ち込んで、わざわざ5~6時間もかけて実測までせんじゃろうがのう。
断熱性能(UA値)の差は使用する材料の良し悪しによるところが大きいが、気密性(C値)というのは、家を建てる職人の技術に大きく依存する部分なんじゃ。
なるほど~。
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
なににおいても職人の技術は、品質を大きく左右するもの。
気密性が高く、住み心地のいい家を建てたいならば「気密測定」はしておいた方がいい、ということじゃ。
気密測定って、工事が終わったあとにするんですか?
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
測定のタイミングは通常、建築途中に1回行う場合が多いのう。
天井・壁・床の断熱(気密)工事が終わったあと、内装施工(石膏ボード・クロスを貼る)の前、このあたりでやるのが効率的なんじゃ。
家づくり博士
ここで1回C値を確認すると、隙間のある場所が見つかるじゃろ。そこを改善することで気密性が向上するんじゃよ。
待ってくださいよ!
じゃあ、工事が終わったあと、本当に気密性が達成されているかどうか、わからないじゃないですか‼たてるさん
すみかさん
家づくり博士
(大声出して、コワいのう……)
そうなんじゃ。気密性を確保するためには、本来工事中に1回目、完成後に2回目の気密測定をするのがオススメじゃ。
でも、こんなに大がかりな調査、お高いんでしょ……?
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
気密測定を業者に依頼するとしたら、1回50,000円~くらいになるかのう。
じゃあ1回でいいや……。
たてるさん
すみかさん
家づくり博士
まてまて、20年30年とこれから住む家じゃよ。
長い目でみたら2回調査して品質を確認する意味はあると思うぞ。それに「全棟気密測定」を実施している工務店なら、自分で業者に依頼せんでいいから安心じゃよ。
気密測定を工事中と完成後の2回、きっちりやる工務店とあれば、「腕に自信あり」の証左ともなるのう。
そうですね。家の気密性は今後の光熱費に大きく関わってくるものだから、しっかり見極めていきたいです!
たてるさん
すみかさん