家づくりコラム
高断熱・高気密住宅だと風邪やインフルエンザにかかりにくいという説は本当か
埼玉県鴻巣市にある高気密・高断熱な注文住宅工務店「佐藤ホーム」のブログ編集部です。
2020年3月現在、新型コロナウイルスの流行によって、大型イベントの開催自粛だけにとどまらず、全国の小中高校の休校にまで発展する事態となっています。
当社は埼玉県の鴻巣市にある会社ですが、ここ鴻巣市でも春休みまで小・中学校が休校となり、自宅で過ごせない小学校1〜3年生の児童は学校で受け入れ(スポーツ活動はなし)、卒業式は限られた人数で実施予定など、教育現場ではその対応に追われている状況です。
参考記事:新型コロナウイルス感染症への本市の対応について/鴻巣市ホームページ
季節性の風邪・インフルエンザウイルスは高温多湿に弱い
新型コロナウイルスの全貌はまだ明らかになっていませんが、一般的な風邪やインフルエンザウイルス、(新型ではない)コロナウイルスは、寒冷乾燥な環境を好み、高温多湿に弱いとされています。
1961年にG・J・ハーパー博士が発表したウイルス生存実験の結果では、温度20度以上、湿度50~60%で空気中の感染力が下がることが判明しました。
具体的には、温度7〜8℃で湿度20〜25%だと、ウイルスの6時間後の生存率は63%だったものの、温度20.5〜24℃で湿度49〜51%だと生存率は3〜5%に低下。
さらに温度32℃で湿度49〜51%以上になると、6時間後のウイルス生存率はほぼ0%になるそうです。
参考記事:インフルエンザウイルスの寿命は湿度で決まる – ウェザーニュース
このように、冬のウイルス感染を防ぐには、室温を上げ、室内の湿度を50%以上に保つことが有効だとわかっています。
厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染対策として、手洗いの徹底やマスクの着用以外に、不特定多数の人で混雑する換気不十分な密閉空間を避け、自宅は定期的に換気する、などの指導内容を公開しました。
参考記事:新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省
つまり、ウイルス感染を防ぐ方法として「換気」がかなり重要であるということです。
全熱交換型換気システムでウイルス感染率は大幅にDOWN↓
そこで、当社がご提供する高気密・高断熱な低燃費住宅に搭載された「全熱交換型換気システム」が重要な役割を果たします。
前回のコラムでもご紹介した「全熱交換型換気システム」について、繰り返しになりますが、ざっとおさらいしておきましょう。
「全熱交換型換気システム」は室内の温度と湿度を一定に保ちながら、自動で70秒ごとに空気を入れ換える仕組みです。
つまり、
- 人が誰も家にいなくても、自動で換気をしてくれる
- 子どもしかいなくても、自動で換気するので、大人が窓の開け閉めを世話する必要がない
- 換気をしても室温と湿度が一定なので、感染率が低い空気の状態をずっと維持できる
といった多数のメリットが得られます。
また、この季節に乾燥を恐れるあまり加湿をしすぎると、今度は結露やカビが発生する心配が出てくるわけですが、全熱交換型換気システムの場合、それも不要です。
詳細な理由については、下記の記事をご確認ください。
全熱交換型換気システムについて
ダクトレスでデセントラル?メンテナンスも軽減できる「全熱交換型換気システム」とは
「高気密住宅はウイルス感染しやすい」という誤解
「高気密住宅だと空気が密閉されるからウイルスが温存され、全戸にウイルスがばらまかれてしまうのでは?」と心配に思われる方がいるかもしれません。
確かに吹き抜け構造を持ち、ダクトで一括して換気をしているセントラル換気システムを採用している場合は、ウイルスを保持している人を完全に隔離するのが難しいので、室内にウイルスが拡散してしまう恐れはあります。
しかし、ウイルスの生存が脅かされる温度と湿度を保ち続け、かつ自動で換気されている状態であれば(たとえ戸内に感染者がいたとしても)ウイルスは早期に死滅するでしょう。
また、当社が採用している全熱交換型換気システムの場合、ダクト配管がないダクトレスで、セントラル換気ではない「デセントラルタイプ」なので、全戸にウイルスが拡散される恐れも軽減できます。
家庭内で感染者が出たときの隔離が難しい場合は、
- 感染者と同じ部屋で寝るときは、頭の向きを同じにしない
- 感染者とは2m以上の距離を保つ
- (自動換気できない家の場合)1〜2時間おきに換気する
といった工夫も有効だとされています。
いずれにせよ、現状でウイルス感染を防ぐのに、体の免疫力を高めるのと同じくらい、「室温と湿度の適正化」と「換気」といった住環境を整えることが重要であり、それらをうまくコントロールするのが「全熱交換型換気システム」である、と結論付けることができます。
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